第1話 家をつくりたい!さあどうする?
2017.09.29
暮らしをはぐくむ場所としての住まい。
自分たちらしく、心地よい住まいづくりにまつわるあれこれを、建築士である幸治さんにインタビューしていきます!
家をつくりたい!さあどうする?
結婚し、子どもが生まれると暮らし方が変わる。
家族が増えていくなかで、新しく家をつくりたい、もっと心地よく暮らすためにリフォームしたい、と考えるのは自然な流れ。
しかし、いざ家をつくろう!リフォームしよう!と思ったとき、誰になにから相談すればいい?
意外と知らない「家づくり」のこと、
一級建築士である幸治さんに聞いてみました。
―幸治さんが「家をつくりたい」という相談を受けたとき、まず何から始めますか?
まずは、どんなふうに暮らしたり、過ごしたりしたいと思っていらっしゃるのかを伺うようにしています。どんな家族になりたいなどの大きなテーマから、雑談も含めてじっくりと。この過程に一番時間をかけていると思います。そのご家族一人ひとりの具体的な言葉にならない部分も聴きとれるように心掛けています。
―どんな家をつくりたいのか?ではないのですね。
もちろん、それがはっきりしている方もいらっしゃるので、ヒアリングを受けて、さらにプラスのアイデアを提案できるようにしています。「家をつくる」のではなく、「暮らしの場をつくる」という感覚に近いかもしれません。自分は建築士として関わる訳ですが、そのご家族の暮らしのコンシェルジュのようになりたいと思っています。
―「暮らし」がキーワードとしてあるのですね。
家づくりも、まちづくりも、建築全般もそうだと思いますが、日々の暮らしの延長線上にありますよね。日々の生活の中で困っていることや、もっとこうしたいという思いってたくさんあると思います。住まいをバージョンアップすることで、それらをまとめて解決できるチャンスがあることは建築士としての醍醐味ですが、その人の過ごし方が前より少しだけ豊かに感じる。そんな住まいと暮らしになるように、いつも考えています。
―なるほど。家づくりもまちづくりも、その場所に暮らす人たちの声に寄り添うことから、心地よいデザインが生まれるのですね。家をつくりたいと言うと、ハード面のことばかり考えがちですが、まずはどんな暮らしをしたいか?を考えることが家づくりのスタートなのだということがわかりました。
佐藤建築
佐藤建築設計事務所
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諸岡 江美子
スノーデイズファーム(株)webディレクター/保育アドバイザー。1987年、千葉県船橋市生まれ。東京都内の認可保育園にて5年間勤務、その後新潟県妙高市にある国際自然環境アウトドア専門学校、自然保育専攻に社会人入学。津南町地域おこし協力隊を経て、現在はClassic Labとして独立。雪国の「あるもの、生かす」という生き方を研究している。編集者、エッセイスト。