大人の階段のぼる春
2018.04.15
待ちに待った春が十日町市にもやってきた。
真っ白だった世界は、日に日に色鮮やかな世界になり心もウキウキしてくる。
早速私も山菜採りに出かけた。
雪の残る山の斜面から顔を覗かせるふきのとう。
「待ってたよ」と声をかけながら、たくさん摘んでみる。
とはいえ、山菜料理はまだまだ上手に作れない。
そんな時には、新潟県佐渡市の郷土料理がぎゅっと詰まった
『さどごはん』を頼りにしている。
今回はふきのとう味噌に挑戦。
味噌の風味に、ほろ苦いふきのとうがたまらない。
ごはんがいつもより、すすむすすむ。
ふきのとう味噌を作りながら
小学生の頃をふと思い出す。
「ふきのとう」という物語を国語の授業で習って
学校の先生が天ぷらにして食べさせてくれた。
あのときは、ほろ苦さの良さが分からず
隣の席の子と顔をしかめた。
あれから15年。
里山のご馳走「ふきのとう」を私は喜んで食べている。
ちょっとだけ大人になった気がした春の始まりだった。
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水沼 真由美
1994年、神奈川県横浜市生まれ。法政大学現代福祉学部卒。2018年3月に新潟県十日町市に移住。スノーデイズファーム(株)で新社会人としてスタート。働きながら社会福祉士を目指して勉強中。