妊娠しました!〜行ったり来たりのマタニティライフのはじまり 妊婦編#1
2019.12.23
豪雪地・津南と豪雪地・妙高
どちらかを選ばなきゃいけないなんて、つまらない。
どちらも選びたいから、行ったり来たりする。
「二拠点居住」というライフスタイルへの憧れでもなく
ただただ、自分たちのしたい生き方を選びとってきた結果。
それが私たちの行ったり来たり婚です。
だいぶご無沙汰してしまいました……。
もしかして、行ったり来たり婚上手くいってないのかな?と思っている方がいたかもしれません(笑)
ご心配には及ばず、行ったり来たり婚は円満に継続中です^^
と言っても、実はこの間に行ったり来たり婚にも、ある変化がありました。
わたし、妊娠しました!
「なぜ私たちのところに赤ちゃんは来ないのだろう?」その矢先に……
さかのぼるは6月はじめ。
今年の夏はみなさんも記憶にあるように、とっても暑かったですよね……。
わたしも、早くも食欲のなさやだるさ、頭痛を感じていました。
6月はじめと言えば、雪の日舎では新潟日報さまとの企画で夫婦米の田植えがあった頃……
いま思い返すと、あの日も午後になってだるさを感じていたのは妊娠によるものだったんだなぁと思います。
その頃というのは、私たち夫婦の間でも、
「そろそろ子ども欲しいね」
と話してはいたものの、実際はなかなか難しく、
「今月もだめだったか……」と肩を落とすことが当たり前になっていました。
結婚3年目、わたしも32歳になる年。
同世代の友人たちから来る連絡と言えば、「妊娠○ヶ月になりました」「赤ちゃん生まれました」という報告も多く、
「どうして私たちのところには、やってきてくれないのだろう」とため息をつくばかり。
そろそろ不妊外来にも行ってみようかな、という話もしていた矢先でした。
なので、検査薬で陽性が出たときは嬉しくて嬉しくて、すぐ翌日に産婦人科に判定してもらいに行きました。
産婦人科で見せてもらったエコーでは、子宮の中にほんとうに小さい小さい袋が見えて、
「これが赤ちゃんなんだ〜」となんとも不思議な気持ちになりました。
夫もとても喜んでくれました。
その姿を見て、わたしもさらに嬉しくなりました。
行ったり来たり婚、これからどうする?
喜びと同時に湧き上がってきたのが
「さて、どうしよう」
という気持ち。
そうです。
今までは何も問題なく行ったり来たり婚をやってこれたのですが、子どもができたらどうするか……
これは私たちの中でも、一つのターニングポイントだと思っていました。
「子ども欲しい」という気持ちとは裏腹に、「実際にできたとき、どうしよう」ということも、ある意味後回しにはしてきたのです。
そもそも、「妙高か津南かどちらかに行く」という選択肢は、二人とも想像はできなかったので、特に乳幼児期は母親と一緒にいた方がいいと考えて基本は津南で育てる、夫は「頑張って通う!」と言い切ってくれました。
家族の形は、家族で決める
結婚するときも、この行ったり来たり婚を始めるにあたって、「子どもができたらどうするのか」という話はしていました。
そのときも、わたしも夫も、必ずしも
「家族がみんな毎日一緒に暮らしている」
という形が大事なのではなく、
「それぞれに拠点を持っていても、それぞれが心も体も充実して暮らしていること、その状態で家族としてより有機的につながっている」
という中身が大事だと思っていました。
わたしも夫も、それぞれの家を民泊や研究所として開いているのは、「家族」という形が何も血縁関係だけではなく、もっと多様な人とのつながりでいいのではないかという思いがあるからです。
そして互いに前職で保育士をしていた経験からも、子どもは家族の中だけで育っていくものではなく、地域や多様な人とのつながりの中で育つものだという認識が強くあったというのも、この考えに至った理由だと思います。
そもそも、津南や妙高という豪雪の農村では、本来はそのようなコミュニティの中で子育てをしてきたのではないでしょうか。
そしてやってもいないのに、「できない」とあきらめてしまうことが嫌でした。
とはいえ、子どもが大きくなったときに
「どうしてお父さんとお母さんは一緒に住んでいないの?」
と聞かれるかもしれません。
「みんなで暮らしたい」
と言われるかもしれません。
そのときは、大人だから、子どもだからではなく、一人の人間同士として、私たちの思いも同じ目線で伝えられるように、自分に嘘をつかずに日々をちゃんと生きていたいと思います。
その結果、一緒に暮らす日が来るかもしれませんし、来ないかもしれません。
それは私たちにもわかりません。
でも、いまふたりで決めてしまわなくても、生まれてくるこの子と一緒にその都度考えていけばいいじゃないか。
それが、私たちの望む「家族」の形です。
▲夫は妙高で田んぼもやっています。しかも手作業(笑)
ですので、出産後もしばらくはそれぞれの暮らしは変わらず、赤ちゃんは津南中心で育てることになりそうです。
こうして、どうなるのかわからない?行ったり来たりのマタニティライフが始まりました。
■行ったり来たり婚の津南拠点「Classic Lab 柳の家」
家主が出産・育児のため、2019年12月〜休業中。Classic Labのブログは随時更新しています。
■行ったり来たり婚の妙高拠点「こつぼねの家」
現在改修中。2020年8月オープンを目指して「古民家ぐらしであそび、つながる家」として準備中。
諸岡 江美子
スノーデイズファーム(株)webディレクター/保育アドバイザー。1987年、千葉県船橋市生まれ。東京都内の認可保育園にて5年間勤務、その後新潟県妙高市にある国際自然環境アウトドア専門学校、自然保育専攻に社会人入学。津南町地域おこし協力隊を経て、現在はClassic Labとして独立。雪国の「あるもの、生かす」という生き方を研究している。編集者、エッセイスト。