雪の日舎
コラム

棚田ではたらき、あそぶ。楽しい人が集まる場所~岡山県美作市上山集楽編~

2018.02.25

私は現在、休学期間も含めて5年間の学生生活でお世話になった方に会いに行く旅をしています。

全国各地にいるお世話になった方に会いながら、そこで出会った全国各地の里山ライフをお届けできたらと思います。第1回目は岡山県美作市上山集楽の里山ライフをお届けします。

 

 

 

 

棚田に囲まれた「集楽」

上山集楽を囲む棚田

岡山県美作市の山間にある上山集楽。
あえてここでは「集落」ではなく「集楽」と名乗っています。

上山集楽はかつて約8,300枚の棚田に囲まれた地区でした。その歴史は深く、なんと1000年以上前からあるといわれているそうです。しかし、昨今は高齢化や過疎化が進み、上山の美しい棚田は耕作放棄地となり雑草や竹に覆われてしまいました。

現在は2007年から始まった棚田の再生の活動で棚田の風景の一部はよみがえり、上山の景色を彩っています。地元の人たちと移住者が手を取りながら日々棚田の再生に取り組んでいます。

 

暮らしの中にある仕事と遊び

上山集楽の棚田

上山では、酒米のはさがけ作業に参加させてもらいました。棚田では、はさがけや脱穀といった作業のたびにお米を運ぶことは大変なので、田んぼにはさがけする場所を作り、その場で脱穀をするそうです。

この日、丁度終わった棚田のはさがけ。上から下まで続く黄金色のお米のカーテンは圧巻です。

かりんに顔を描く上山集楽のお父さん

上山を囲む棚田は稲作をする大事な仕事の場でもありますが、上山には地域の方のお手製のゴルフの打ちっぱなしができる遊びの場もあります。お手製の打ちっぱなしを作ったのは水色のつなぎを着こなす地域のお父さん。

駐車場に並べられたかりんをよく見ると一つ一つ顔が。そんなお父さんは「この道を通ったときに、かりんに顔が描いてあったら面白いやろ。辛いことあってもな、笑っていたいよな」と笑顔で私に話しかけてくれました。

棚田を囲んで育まれる上山の仕事、遊び、暮らし。境界線ははっきり見えるものではなく、あいまいかもしれないけど、それもまた良い暮らしのかなと思いました。

 

楽しいひとのまわりには楽しいひとがいる

上山集楽で出会った女性2人組

今回、私の大学の先輩で元地域おこし協力隊の水柿大地さんに会いに上山に行きました。
水柿さんは私に地域で生きる楽しさを教えてくれた一人です。

着いてすぐに上山を案内してもらうと、すれ違う人はみんな笑顔で手を振ってくれてとても楽しそうにしています。なんだか不思議と私も笑顔になってしまいます。

そんな上山集楽には東京でネット関係のお仕事をされていた人もいれば、お医者さん、看護師、植物の専門家、本当に様々な人が移住されていました。地元の人たちと手を取りあい、お互いのエキスパートを活かしながら上山の未来を築いています。

ニンニクを植える上山集楽のひとたち

初めて訪れたのに優しく受け入れてくれる上山の温かい雰囲気がとても心地よく感じました。上山の人や物が醸し出す楽しそうな雰囲気が、また楽しいことや好きな人を呼んでくるような気がします。楽しい人の集まるところが上山集楽、そんなふうに感じた滞在でした。

 

 

 

上山集楽 https://ueyama-shuraku.jp/

水沼 真由美

水沼 真由美

1994年、神奈川県横浜市生まれ。法政大学現代福祉学部卒。2018年3月に新潟県十日町市に移住。スノーデイズファーム(株)で新社会人としてスタート。働きながら社会福祉士を目指して勉強中。