佐藤産休につき、5月23日発送分〜8月は、ネットショップ毎週木曜日発送となります。
2019.05.28
いつも雪の日舎のサイトに訪れてくださり、そして私たちの活動を見守ってくださり、本当にありがとうございます。
雪の日舎が小さく始まったのは、私が娘を出産した2015年。
その頃、新しく迎えた命から、いままで見たことのない景色や思いをもらった1年でした。
娘が生まれてから、師匠の背中を追いかける側から、こどもから背中を見られ、追いかけられる側になったこと。「農業が生む生き方を、繋ぎたい」という漠然とした思いから、「私が農業や地域からいただいてきたワクワクを、ちゃんとこどもにも繋げられる形をつくりたい」と、少しずつ思いが研磨されていったこと。
そして、地域の素材を使ってこどもの味覚と感性をはぐくみたいと、離乳食開発が小さく始まった年でもありました。
その後2016年から、仲間づくりが少しずつ進みました。
まだ海のものとも山のものともつかなかった私のやりたいことに、力を貸してくれたこと、一緒のチームになってくれたこと、私自身が悩み悩み進める心もとない航路をともにしてくれていること、本当に感謝しきれません。
いつも相談に乗ってくださった6次産業化プランナーの椎葉さんからは、「海水が塩になるスピード」とお褒め(?)の言葉をいただきましたが、自分たちの暮らしを土台に、いろんな方々のお力をお借りしながら商品や思いを届けてきました。
LINE@でのお客様とのやりとりや、商品を通じていろんな会話ができたこと、応援に励まされながら土に向かうことができたことは、とても幸せなことでした。本当にありがとうございました。
商品発送日が週1回となります。
さて、しばらく子どもを授からなかった私ですが
昨年妊娠がわかり、この度6月に2人目を出産することとなりました。
また、新卒として昨年1年、一生懸命ともに走り、がんばってくれた水沼は福祉の学びを深めるために退社しました。
そういったメンバーそれぞれの人生の変化もあり、ECショップでの商品の発送に関して
5月23日〜8月末まで
毎週木曜日発送、とさせていただきます。
(その週の水曜日24時までにご注文いただいた商品を、翌日木曜日に発送いたします)
みなさまには、ご不便をおかけすることとなり大変申し訳ありません。
そして、お知らせが遅くなりましたこと、お詫び申し上げます。
雪の日舎を見てくださっているみなさまからは、いつもたくさんの応援や共感という嬉しいメッセージをいただき、本当に感謝しています。
変化の多い時代、そして変化の続く女性たちのくらし、しごと、こそだてに伴走したいからこそ、私たち自身も人生の変化をどう受けとめ、自分サイズでくらし、しごと、こそだてを持続可能にしていくのか、手探りでチャレンジしていく姿をみなさまにそのまま見ていただけますと幸いです。
いつも、毎年同じように、とはいかないけれど、
「いまの等身大の私たちにできることを、最大限できる形でみなさまにお届けしていく」
私たちが大事にしなければいけないのは、ここなのだと腹をくくり、注力してまいりたいと思います。
少しペースはゆっくりとなりますが、
この期間も新商品はぞくぞく出てきますので、ぜひ引き続きサイトに遊びにいらしていただければ、とても嬉しいです。
ここからは、佐藤のかんがえごと。母として、仕事人として、悩み葛藤は続いてゆく…
実は1人目以降、年子でどんどん産んで早くに産み終えて、仕事に集中しよう!という、それはそれは自分勝手すぎる思いがあったのですが、思いに反して、なかなか、どうにも赤ちゃんはやって来てはくれませんでした。
もし妊娠したらやってくるであろう”仕事に100%力を注ぎ切れなくなる子育て期間”を鑑みて、仕事の見通しをスッキリ立てられないモヤモヤした気持ちが私の中に湧き上がってきました。
現状維持?
どのタイミングで規模を増やす?
どのタイミングで新しいことをやる?
という自分の意思で決めれるもの。
自分の意思に反して拡大してゆくもののコントロール。
大きな一手を打った後に妊娠したら、責任を取りきれなくなるのではないかという怖さ。
でもどんなに準備しても、赤ちゃんは全然来てくれない。
そんな焦りと、悲しみとイライラとで、心の中はいっぱいでした。
そして、私も年齢をひとつひとつ重ねてゆき、月日が過ぎてゆく…。
結局、開き直って仕事に200%振り切った時点で、まるで「ちょっと待って」と言わんばかりに突然やって来た赤ちゃん。当時、いろんな物事が進んでいたので、心の中では「えっ、いま??!」という複雑な思いの一方、「いまでよかった」と受け止めることができました。
ある日、ずっと伴走してくださっていた十日町地域振興局の女性職員の方と、加工所建設の話を振り返っていたとき、こんな言葉をかけられました。
「24時間フル回転、そんなかなこさんを見かねて赤ちゃんはやって来てくれたんじゃないでしょうか」
「自分を大切に」を、意外とできなかった日々から
雪の日舎を経営するようになり、いつも痛感するのは「私には軸がない」と思ってしまうこと。
それって経営者として致命的だと思い、かなり凹みます。
どんな判断も、悩むのが趣味なくらい、いつも悩んでいます。
それなのに、やりたいことがたくさん出てしまい、思いが先走りしてどんどん膨れ上がって収拾がつかなくなる。
子育てが始まり、経営でも子育てでも、「私じゃなきゃいけない」場面が増えてきたことで、余計フル回転度が増しました。
でも今回、2人目を授かり、立ち止まらざるを得なくなり
いままでないがしろにしていた「自分を大切にしてみる」という日を授かりました。
自分の体調、自分と赤ちゃんのこと、自分の暮らしまわり、自分の棚卸し…。
移住し農業を始めてから走り続けてきた9年間を振り返り、
軸がないと思っていた私の中にも、
移住する前から、変わっていないものに出会うことができました。
それは、「家族とともに、里山でわくわくする暮らしをしたい」という思いでした。
くらしと、農業と、こそだての中で、わくわくを生んでいきたい。
この地域で、たくさんのわくわくと出会いたい。
それを、娘たちや、これからこの地域で生きてゆくこどもたちと共有したい。
その思いは、わくわくしながらものづくりをする農業の師匠の背中に出会ったときから変わらぬものでした。
そのために、しごと、くらし、こそだてを
分断するのでなく、地続きのなかで、私たちらしく自分たちのリアルな暮らしをつくってゆく。
今年の雪の日舎のテーマは
「里山農業から、こころうごく世界を」です。
今年にはやっと、3年間商品開発に取り組んでいた「雪国こどもおやつ」も形になりそう(する!)ですし、こども鍬をよりたくさんのこどもたちに届ける1年にしたいです。
娘との出会いが雪の日舎の結晶となったように、
新しい命がまた、わくわくする世界を見せてくれ、私たちのくらしと、しごとと、こそだてにまた大きなパワーを与えてくれると思うと、楽しみです。
今回、里帰り出産をするため5月下旬から香川に帰ります。
2ヶ月ほど、産休をいただきますが、PCは持っていくので地味にお仕事は続けます。
変化を受け止めることは意外と難しく、毎年同じように過ごせない戸惑いもあるけれど、それを乗り越えてきた母たちのように、しなやかに強くなりたいと思います。
これからも、雪の日舎と、その仲間たちを、どうぞよろしくお願いいたします。
お気に入りのお人形さんをお腹に入れて、マタニティフォトを撮る娘とともに。
佐藤 可奈子
株式会社雪の日舎 代表。1987年、香川県高松市生まれ。立教大学法学部政治学科卒。大学卒業後、新潟県十日町市に移住、就農。「里山農業からこころ動く世界を」がテーマ。著書「きぼうしゅうらく〜 移住女子と里山ぐらし」