日本初?!「こども鍬」ができました!本物を通じて、そだちあう。
2018.10.26
こども鍬開発までの道のり
ある日、畑仕事をしているときのこと。
私たちが鍬でさつまいも畑を整備していると、こども専務あさちゃんが鍬を欲しがり大人のまねっこをしていました。
小さな手で持ってみるけど2歳の子には大きすぎます。
そして肝心な私たちの作業もなかなか進みません。
「こども用の鍬ってないのかな?」
そう思い探して見ましたが、思ったものはなかなか見つからず。
「それなら、作ってみよう!」となり、開発プロジェクトがはじまりました。
百年続く鍬専門の鍛冶屋「近藤製作所」とコラボ
ものづくりのまちとして名高い新潟県三条市。
その三条市で100年以上続く鍬専門の鍛冶屋「近藤製作所」さんが、私たちの願いを叶えてくれました。
近藤製作所はオーダーメイドの鍬と鍬の修理を専門にしており、全国から鍬を求めて問い合わせが来るそうです。
こども鍬のオーダーも快く受けてくださり、一緒に開発させていただきました。
とても素敵なお人柄で、近藤製作所さんに訪れたときのわくわくした気持ちと、近藤さんの魅力は
こちらには書ききれないので、こちらにたっぷり綴りました!
近藤製作所の取材記事はこちら
小さくても本物を。そこから生まれる、こどもと大人の新しい関係
こども鍬は「小さくても本物」にこだわって作りました。
大人の使う鍬と同じ素材と工程で、一つずつ近藤製作所の職人が心を込めて作られています。
なぜ本物にこだわるのか?
安全との両立はできるのか?
私たちは何度も話し合い、こう考えました。
「大人の姿をみて、自分もおなじようにチャレンジしてみたい」と沸き起こった気持ちを、大事にしたい。
その思いを叶えようとしたときに、こどもにはいつもごまかしはきかない。
本物を使って、安全に、安心した環境でこどもたちがチャレンジできるように
大人たちは見守る役になると同時に、こどもと一緒に学び、一緒にチャレンジしよう。」
そう思えたのは、
以前特集「どうつくる?しあわせなはぐくみ」で、新潟県上越市の「森のようちえん てくてく」さんを取材させていただいたときに、本物の道具を使って調理をしたり、遊ぶこどもたちを目にしたことも大きく影響しました。
<以下引用>
てくてくで過ごす子どもたちは、身の回りには危険もあるということを体感としてわかったうえで、自分で考え遊びを作っていました。
もし、大人が先回りして「危ないからあれもこれもさせない」ようにしていたら、子どもたちは危険を知らずに大人になってしまいます。
危険を知ることで、いまの自分ができること、まだできないことを自分で判断する力も育ちます。
「なにが危険なのか」も大事ですが、「自分にとって危険なのか」という判断ができるかどうかも同じくらい大事なのではないでしょうか。
<引用おわり>
また、安心感を感じたこどもたちは、どんどん力を発揮し、チャレンジができることも、保育士さんたちの話から学びました。
また子ども鍬を娘と使ってみた佐藤はこう言います。
「危ないから、まだ小さいから、といろんな理由でなんでも『ダメダメ』していたけれど、
それは意外と大人の都合が多かったような気がしました。
また、そこでぷつんとこどもとの関係も途切れてしまっていました。
『よし、やってみよう』と一緒に踏み出したとき、親子が共同体になれた感覚があったのです。
このこども鍬から、新しい親子の関係が生まれる、そんな予感がしました。」
畑で子どもを見ていると、「仕事」と「遊び」の境界は曖昧です。でも、それでいいのかなと思います。自分でやってみるからこそ、ワクワクと学びがあり、学んだことの蓄積がいずれ「仕事」になっていくのだろう、と。
子どもの姿をみて、私たち大人も胸がどきどきする経験を通して、そう思えるようになりました。
だからこそ私たちは、本物の道具を子どもに手渡したい。
「ホンモノ」がこどもたちの感性をはぐくむのではないか。
そんな思いで、何度も話し合い、試してみて、こども鍬が完成しました。
子どもにも、子どものそばにいる大人にも、
おなじものを使い、おなじ目線でおなじことに取り組む楽しさを、こども鍬で体験していただけると嬉しいです。
「個人的な話ですが、完成品をこどもに手渡し、とってもとっても喜んでくれた姿に感激しました・・・。
一生懸命で、うまくできなくても、いろんなところを削ってみたり、盛ってみたりして畑にいるこどもの姿。すっかり愛用品になりました。」(佐藤可奈子)
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水沼 真由美
1994年、神奈川県横浜市生まれ。法政大学現代福祉学部卒。2018年3月に新潟県十日町市に移住。スノーデイズファーム(株)で新社会人としてスタート。働きながら社会福祉士を目指して勉強中。